チェッカーのすすめ

翻訳者として応募する際に、チェックも積極的にできることをアピールすると、間違いなく歓迎されます。

私たちPMは、翻訳者以上にチェッカーを頼りにすることが多々あるのです。

特に繁忙期で翻訳者がいない時、普段依頼しないような人や新人翻訳者のアサイン可否は、誰にチェックしてもらうかで決まります。
チェッカーが不足していれば、手配が進みません。

しかし、なりたい人が非常に少ないのはなぜか?

以下、チェッカーのメリット・デメリットをまとめてみました。

まずはデメリットから。

1.単価が安い
2.最後の砦なので非常にストレス
3.翻訳チェック以外の作業を頼むこともしばしば

詳しく見ていきましょう。

1.単価が安い

希望者が少ない理由の殆どはこれだと思います。

翻訳者は、不得意分野だと断ることも可能。
けれどチェッカーは、基本的に不得意分野であっても、手のかかる翻訳者であっても、それを理由に断ることはできません。
(スケジュールに空きがないんで、と嘘を言い断る方法もありますが、チェッカーは単価が安いため沢山こなしてなんぼですし、選り好みしている余裕はないと思います)

そのため、想定外に時間がかかることもよくある話です。

チェッカー単価は公表できませんが、うちのチェッカーで言うと、ほとんどの人がイオンのパートほども稼げていないのでは?という印象。

都会だとオンサイトで時給制のチェッカーを募集しているところも沢山ありますので、そういったところを選ぶのも一つの方法かも知れません。
通勤で、社員の目があり、時間に追われるデメリットはありますが…。

2.最後の砦なので非常にストレス

さて問題。
Q: 誤訳でクライアントからクレームが来た時、翻訳者とチェッカー、怒られるのはどちらでしょう?

A: チェッカーです。

「なぜ見落とした!?」と怒られます。

チェックの時点で、エラーが見つかればもちろん翻訳者が注意を受けるのですが、チェックが終わり納品後にクライアントからクレームが来れば、チェッカーが責められることも多いです。

だからチェッカーも、作業中から納品後しばらくまで常にドキドキ。
更に、修正を入れたことで翻訳者からクレームがくることもあるので、翻訳者にも気を使い、かなり精神的に負荷がかかると思います。

3.翻訳チェック以外の作業を頼むこともしばしば

翻訳用原稿を作る
テンプレートにひたすら訳文をコピペしていく
翻訳後にずれずれになったレイアウトを整えていく etc.

翻訳チェックに関係ない業務が発生することもしばしば。
数時間かかる場合もあるため、別途作業費をお支払いします。
時給換算すると、チェックするより高いのですが、「私は翻訳チェックがしたいのに」と不満を持つ人もいるようです。

そして、メリットです。

1.勉強になる
2.翻訳者になりたいと申し出た時、無下に断られることはない

1.勉強になる

やはりこれ。
超安単価ではありますが、お金をもらいながら勉強ができることですね。

あるチェッカーが、「何年も翻訳学校に通って勉強したが、沢山チェックする方が遥かに勉強になる」と言っていました。
ネイティブチェック有の英訳チェックに慣れてくると、ネイティブの表現も、日本人がやってしまいがちなミスも覚えてくるとか。
和訳では、一切無駄もミスもないSランク翻訳者の日本語に感動したり。

「これいい!」と思った訳文は自身でストックしていくことができる、というのはとても大きなメリットだと思います。

2.翻訳者になりたいと申し出た時、無下に断られることはない

普段、我々がお世話になっているチェッカーが翻訳者になりたいと言ってきた時。
翻訳応募あるあるのように、「応募スルー」は絶対にありません。
勿論、トライアルは平等に採点されますが、その結果を「丁寧に、(場合によっては)対面で」フィードバックしてもらえます。

Sランク翻訳者のレビュー付きで翻訳デビューするチェッカーもいます。
これは、いきなり翻訳で応募する人にはあまりない例で、やはりチェッカーとしての評価も高く、その人のことを良く知っているからこそできることだと思います。

―以上、メリットデメリットでした。
一部、他社と異なる点もあるかも知れませんので、悪しからず。

チェッカーの期間を1年とし、半年頃から徐々に翻訳へ移行が理想的であると思います。
しかし、最初は翻訳者を目指してチェッカーを始めた人に良くある話で、チェックをし出すと翻訳文のレベルが高く「私はまだまだだ…」と自身を失い、チェッカーから抜け出せない人も沢山いるので、これは避けたいですね。
「翻訳者として稼ぐ」が目標なので。

私が今後応募する時、「チェックもガンガンやります!」とアピールするかどうかは、また考えます。笑